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傷んだ屋根のあれこれ

2020年10月24日

近頃よくかかってくるお電話に、「近所を回ってきた業者さんが、お宅の屋根が傷んでいる、屋根を全部葺き替えないと・・と言って来たのですが、本当はどうなのか、見て下さい」というお話があります。 


実際に拝見すると、驚くことに、そのほとんどが問題のない屋根なのです。
令和元年の台風以降、本当は悪くなっていない屋根まで、『火災保険で直せるから』と、傷んでいない屋根に、さも問題があるかのように営業をかけてくる業者さんが多くなっているようです。 
しかも、保険金が下りるかわからないのに、先に施工をしてしまい、 支払いを要求するといった、悪質な業者も増えています。


「傷んだ屋根」とは、どんな状態を言うのでしょうか?
「棟包み」という板金加工品が、台風などで飛んでしまった、もしくは剥がれている。これは傷んでいます。
しかし、屋根の色が変わっているのはどうでしょうか?私はそれを「傷み」とは捉えていません。
もちろん、「色」というのは屋根材をコーティングしている塗膜のことですから、この色が変わるということは、塗膜が剥がれ始めていることになりますので、理想から言えば万全な状態とは言えないかも知れません。

コロニアル屋根の注意点

しかし、だからと言って、それがすぐ雨漏りに直結することは、滅多にありません
むしろ、屋根を塗装することが、雨漏りの原因となる場合が多いのは、残念な事実です。 


薄い板を重ね張りするコロニアル屋根は、経年劣化が進むと割れやすくなります。
その上を、幾度も塗装の為に歩いてしまうと、割れることもありますし、それ以上に毛細管現象を引き起こしやすくなってしまいます。
弊社に「雨漏りしているので見に来て下さい」とお電話を頂く場合、その多くが、数年前に塗装をされたお宅です。

ただ、変色については上記の通りですが、「割れ」と「剥離」は、少し深刻な状態と言えます。
外装建材である屋根材が割れるということは、建材としての強度を失って、そこから漏水する可能性が増してしまうからです。

特に、アスベストを含有させないようにと生産された「パミール」というコロニアル屋根材は、この数年、その劣化が問題になっています。

まるでミルフィーユのように層になって割れ始め、これを直すとすれば、屋根材の葺き替え以外にありません。

すでに生産中止となっており、しかも保証が付かない屋根材。更に厄介なのは、新築時にこうした屋根材である説明はなかったことです。

まさか築15年で、屋根を葺き替えなくてはならないとは、どなたも想像できなかったと思います。

この「パミール」も、剥離が始まったからと言って、すぐ漏水はしないと思いますが、

見た目が大丈夫そうだった屋根が、たった一年でかなり痛みが進んでいる現実に、衝撃を受けます。

この「パミール」も、剥離が始まったからと言って、すぐ漏水はしないと思いますが、 見た目が大丈夫そうだった屋根が、たった一年でかなり痛みが進んでいる現実に、衝撃を受けます。

そして恐ろしいのが、雨漏りして業者さんを呼び、直してもらったはずが、もっとひどくなったというケースが増えたことです。

特にリニューアル業者さんに多いようですが、なんでもかんでもコーキングで塞いでしまい、本来屋根にあるはずの排水部位までシールしてしまうのです。

外装材は雨水を受け、だからこそ排水させる機能が、必ず付いています。
それは構造上であったり、加工の工夫だったりしますが、隙間を全て埋めれば漏水が止まる!
そう考えて、コーキングをすぐ持ち出す業者さんには、どうかくれぐれもご注意下さいm(__)m

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